2023年オフにフリーエージェント(FA)となる大谷翔平選手を巡って、次の移籍先はどこなのか、その動向に世界中が注目しています。
市場価値は、なんと総年俸810億円になるとも。
水面下では獲得に向けた各球団の争奪戦が始まっている状況です。
また「もし大谷選手が自分のチームに来たら」と、獲得を願うファン達の熱いアピール合戦も各地で起こっています。
今回は、移籍候補となる球団の動きやファンの熱狂っぷりを含め、大谷選手のFAを巡る現状を検証していきます。
(※日本円はすべて当時の為替レート)
移籍先として有力なチームは?
WBCでの活躍から、人気・実力ともに評価がうなぎのぼりの大谷選手。
地元ロサンゼルス・タイムズ紙は、今オフに12年810億円(6億ドル)の大型契約を結ぶ可能性があると報じました。
資金力のある球団を中心に、大谷選手獲得に向けた激戦が予想されています。
アメリカのCBSは、今シーズン終了後の大谷選手の契約先として有力な上位4球団を発表しました。
- 1位:ロサンゼルス・ドジャース
- 2位:ニューヨーク・メッツ
- 3位:サンフランシスコ・ジャイアンツ
- 4位:ロサンゼルス・エンゼルス(残留)
ドジャース・メッツ・ジャイアンツと資金が潤沢な球団に加えて、消極的ながらエンゼルス残留の可能性も示唆しています。
実のところは、どうなのでしょうか。
エンゼルス残留の可能性は?
エンゼルスは財力的に厳しいという予想
来季も現在所属しているエンゼルスでプレーすることはあるのでしょうか?
その可能性は低いというのが大方の予想です。
一番の理由はエンゼルスの財政事情。
現在、エンゼルスは
- マイク・トラウト選手:12年約575億円(4億2650万ドル)
- アンソニー・レンドン選手:7年約270億円(2億4500万ドル)
2選手と長期大型契約を結んでいます。
ここに大谷選手を加えた年俸を毎年支払うのは、現実的に難しいのではないかと言われています。
大谷・トラウトがいても…"なおエ"
さらに大谷選手が金銭的条件よりも「勝てるチーム」でプレーすることを望んでいる点が挙げられています。
「なおエ」というワードをご存知でしょうか?
SNSを中心にお馴染みの言葉で、大谷選手の活躍を伝える一方「なおエ(ンゼルスは逆転負け)」などのように、後ろに付け足して報われなさを表現するネットの略語です。
大谷選手・トラウト選手といった一流どころを揃えながら、中継ぎが崩壊したり打線が貧弱だったりで勝利を逃すシーンが多く見られるエンゼルス。
「なおエ」がくり返されるようなら、大谷選手が理想とするチームとは離れていっていると見るのが自然ですね。
何よりも勝つことを優先
大谷選手は以前、エンゼルスについてこう発言していました。
ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きではある。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強いですし、プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかなと思ってます
エンゼルスが最後にプレーオフに進出したのが2014年。
大谷選手が「勝てるチーム」を望むなら、ワールドシリーズ優勝を狙える新天地を目指す可能性が高いと言えるでしょう。
ドジャースが最有力候補にあがる理由
そんな中、MLBアナリストの古内義明さんが番組で注目の発言をしています。
今現在、移籍先の最有力はドジャース
古内さんは長年の取材力に基づき、松井・松坂・イチローと移籍球団をピシャッと当ててきた「ハズさない人」として知られるアナリストです。
なぜドジャースなのか?
理由に次の2点を挙げています。
- 資金がしっかり確保されている
- GMが日本にまで視察に来ている
昨年、ドジャースは先発投手をあえて一人も取らずに、資金をガッチリ確保。
そのうえで、大谷選手に「世界一を運んできてほしい」とラブコールを送っています。
またGMのアンドリュー・フリードマンがWBCのために来日し、宮崎キャンプから大谷選手のプレーをすべてチェックしていました。
GM自ら日本にまで視察に来たのは、ドジャース以外にはないといいます。
そのほか、エンゼルスと同じロサンゼルスを本拠地としているため気候や移動にも順応しやすいのでは、ということでした。
チーム力はメジャートップクラス
続いて、大谷選手の視点からドジャースという球団を見ていきましょう。
ドジャースのチームとしての力はどれぐらいなのでしょうか?
結局「なおエ」ならぬ「なおド」になるなら、大谷選手が移籍する意味がないと思ってしまいますよね。
ドジャースは
- ワールドシリーズ7回優勝・プレーオフ10年連続出場
- 投手陣には絶対的エースのカーショー投手をはじめ5本柱が揃う
- 打者にも一流選手が並ぶ
- 総合力ではナ・リーグで頭ひとつ抜けた存在
と、メジャー屈指の常勝軍団。
大谷選手の求める「勝てるチーム」にかなりマッチしてるのではないでしょうか。
二刀流での出場機会はあるのか
一番気になるのは、例えドジャースに移籍したとして二刀流を続けさせてもらえるかどうかだと思います。
中日で監督を務めた落合博満さんも、大谷選手の移籍先について
(二刀流を)貫き通せること。それが条件だと思う。
と言ってます。
二刀流選手として出場機会が与えられるかがカギになる、ということです。
これについて古内さんは
大谷選手は超売り手市場なので、二刀流の要求を飲まない球団はないと思います
渡米直後の大谷選手ならいざ知らず、二刀流でこれだけの成績を収めている現在。
ピッチャーかバッターのどちらか1つに絞るよう迫る球団はないというのは容易に想像できますね。
これについては、まったく問題なさそうです。
古内さんは、以上を踏まえて
ドジャースとは今のところ相思相愛
と結論づけています。
オフまでまだまだ先は長いですが、現時点ではドジャースが少しリードしている状況のようです。
「相思相愛」と言われるドジャースの牙城を崩せる球団が今後現れるかどうか、注視していきましょう。
レッドソックスの本拠地ボストンでも大谷フィーバー!?
ここからは大谷選手の獲得熱に盛り上がる、各地のファンについて紹介していきます。
「自分たちのチームに大谷選手を!」の熱狂は、大谷選手の遠征先々で沸き起こってるようです。
異例の光景に球団社長も
今シーズン初の東海岸遠征となったレッドソックス4連戦では、異例の光景が広がっていました。
試合後の大谷選手を見るために、ビジター側のバスの出入口にボストンのファンが押し寄せていたそうです。
エンゼルスの地元放送局のリポーターが、バスの中から思わず撮ってしまったすごい光景です。
これには試合を観に来ていたサム・ケネディ球団社長もビックリの様子。
大谷選手獲得について、記者からの質問を笑顔でかわしながら
オオタニを一目見るためだけに人が押し寄せていた。凄いことだよね。事実として、彼のやっていることは信じられない。脱帽するよ
と、その人気っぷりを大絶賛していました。
ボストンの地元紙からの公開ラブレター
またボストンの老舗新聞は、大谷選手に向けてこんな記事を掲載。
Hey, Shohei Ohtani:The Red Sox are ready for another two-way star, if you’re interested…
(ねぇ大谷さん その気があるなら レッドソックスはまた二刀流のスターを受け入れる準備ができてるよ)
The Boston Globe
元レッドソックスのベーブ・ルースに続く2人目となる二刀流選手の受け入れ態勢は、ばっちり整っているとアピール。
They hired Chaim Bloom as chief baseball officer and had him get rid of all the good, high-priced players so the Sox would have plenty of money to sign you after this season.
(GMが年俸の高い選手をすべて売り払ったので あなたと契約するお金は十分ある)
The Boston Globe
ワールドチャンピオンに返り咲くにはあなたの力が必要、資金については心配しないで、と公開ラブレターを送ってますね。
ヤンキースファンも大谷選手に猛アピール
舞台をヤンキースの地元ニューヨークに移しても、大谷選手への熱烈歓迎ぶりは変わりません。
ニューヨーカーたちもゾッコン!?
アーロン・ジャッジ選手との対決にも注目が集まり、平日にもかかわらず3連戦すべてで4万人以上の観客がヤンキースタジアムにつめかけました。
しかもスタジアムのグッズ売り場では、大谷選手のユニフォームを販売。
プライドの高いニューヨーカーが、相手チームのユニフォームまで販売してしまうのは異例中の異例だそうです。
それだけ大谷選手のニューヨークでの注目度の高さがうかがえますね。
ニューヨークの記者たちも虜に
大谷選手はファンだけでなく、厳しいことで有名なニューヨークの記者たちも魅了しています。
試合後の囲み取材では、大谷選手の言葉を聞き逃すまいとニューヨーク中の記者がドッと押し寄せていました。
記者の一人は
これまでヤンキースは、松井秀喜、イチロー、田中将大と多くの日本人スター選手が活躍してきた。
大谷には、その誰よりも才能とスター性を感じている。
ニューヨークは世界最高の舞台。誰もがここで頂点を目指す。
大谷にもぜひプレーしてほしいね。
と、これまた熱烈ラブコールを送っていました。
ジャイアンツの地元でも主役はオオタニ
昨年、獲得濃厚と言われていたジャッジ選手をギリギリのところで取り逃したジャイアンツの地元でも、珍しい光景が見られました。
ラジオの公開放送に現れたラリー・ベアーCEOに、聴きに来ていたファンたちが「オオタニ!オオタニ!」の大合唱。
大谷選手を獲ってくれ!と願うファンのこの行動。
司会者から大谷選手獲得について話を振られると、CEOは
私が言葉をなくすことは滅多にないと知っているだろうが、今は(獲得については)無口になるよ
と、苦笑いしながら言葉を濁していました。
大谷選手は、まさにその場にいなくても主役をかっさらう男と言えますね。
ファンの思いは球団トップに届くのでしょうか。
まとめ
2023年オフに迫る大谷選手のFA争奪戦の現状を見てきましたが、いかがだったでしょうか?
移籍候補の有力情報もありましたが、激戦はまだまだ始まったばかり。
大谷選手がいったいどのチームに移籍するのか、今から目が離せないですね。
大谷選手の去就については、新しい情報をキャッチし次第どんどん更新していくのでお見逃しなく!